夏は鳥取、冬は長崎…技能実習生が農繁期に産地間を移動して人手不足を解消

鳥取県は、農業労働力を確保するため農繁期がずれる県外の産地で働く外国人材が県内へ移動し、

リレー方式で農作業に就くモデル事業を始めた。冬が繁忙期の長崎県と連携し、技能実習生に夏は鳥取県内で従事してもらう。

ラッキョウやスイカ、トマトの産地で適用し、柔軟に人材を確保する。(山内浩平)

 

5月下旬、鳥取市福部町のJA鳥取いなばのらっきょう集出荷施設。

カンボジアから来日している特定技能の在留資格者の女性2人が出荷ラインで選別作業にあたっていた。チャオ・スレイトッチさん(34)は

「経験がない作業だが、自分のできることで力になりたい」と話した。

県内の農産地では、人材不足が深刻化している。同JAによると、ラッキョウの出荷が本格化する5月下旬から、

植え付け作業が始まる8月までが繁忙期で、60~70歳代の元職員に作業への協力を求めているが、

高齢化などで必要な60人を確保することが難しくなっているという。

同JA福部支店の今崎純治支店長は「猫の手も借りたい状況。外国人材を採用したくてもノウハウがなく、どうしようもなかった」と話す。

人手確保策を考案していた県は、産地間の繁忙期のずれに着目。従事している外国人材が、

リレー方式で鳥取でも働いてもらうことができる別の産地がないか調べていた。

その結果、長崎で冬にイチゴやジャガイモの農作業に就くカンボジアやインドネシアの9人を受け入れることが決まった。

ラッキョウのほか、夏に出荷などの作業が本格化する北栄町や琴浦町のスイカ農家と、日南町のトマト農家で働いてもらう。

県は今年度一般会計当初予算に約1500万円を計上。

受け入れに際して必要な賃金以外の住居費や移動費などを県が負担し、事業者を支援する。

将来的には事業者が独自で外国人材を受け入れる足がかりにしてもらう狙いがある。

県農林水産政策課は「人材不足は進んでいく一方で、この取り組みをきっかけに多様な人材を確保する手段の一つとして検討してもらえれば。

いずれは事業者が自立して持続可能な農業を確立できる体制を整えてほしい」としている。

 

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出典元:夏は鳥取、冬は長崎…技能実習生が農繁期に産地間を移動して人手不足を解消(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース